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会員生協探訪記 38

2012.9.16(日) 【こうち・高知県学校・高知県庁生協】


3生協合同主催 『コープ葬祭見学会』が 野市で開催されました

 こうち生協、高知県学校生協、高知県庁生協が合同で行っている事業『コープ葬祭』の見学会が、『ベルモニー会館野市』で開催されると教えていただき、県連としては行かない訳にはいきません。

  しかし葬祭センターに、葬儀以外で入ることがなく、少し身構えながらの入館でしたが、 皆さん笑顔で迎えて下さり安心しました。

 

 会場には仏壇見本や墓石の案内パネルなどあり、また普段あまりじっくり見ることのない祭壇も色々な角度から眺めることができます。幸い主人私ともに両親がまだまだ元気(なはず...)なので、現実味がなく、お酒のワンカップやお菓子の形をしたロウソクに目を奪われていた私にも笑顔で応対していただきました。こういうところの見学って現実味のない時に何度か通って目を肥やすのがよいのかも知れません。身近な誰かがいよいよ現実味を帯びてきたら、縁起悪くて益々行きづらいですものね。

 ここでスタンプラリーをしてくじ引きで4等のコープティッシュをゲット!!してきました。

会場/ベルモニー会館 野市
会場/ベルモニー会館 野市
受付/こうち生協 中野さん、県庁生協 橋川常務、学校生協 苅谷さん
受付/こうち生協 中野さん、県庁生協 橋川常務、学校生協 苅谷さん

 会場をひと回りした後、午前中のメイン企画『エンディングノート』のセミナーに伺ってきました。少し前から耳や目にするようになり気になっていた『エンディングノート』ですが、講演時間に近づくにつれ聴講者が増え、椅子を足し足し会場いっぱい40名ほどの方がいらしていました。興味ある方が多いのですね。

 講師は、こうち生協LPA(ライフプランアドバイザー)の山根 幸さん。震災後、万が一の時自分の意思を伝えられる『エンディングノート』の効用に着目しセミナーなどで普及活動を行っているそうです。セミナーの中で、山根さんが『エンディングノート』の普及が進んだきっかけは2011年3月11日の震災だとおっしゃっていました。確かにあの震災は、この私でも死を身近に感じるきっかけとなる衝撃的な出来事でした。記入しようしようと思いながら書きそびれていた臓器提供の有無をやっと記したのも震災からそう時間が経っていませんでしたから。

  『エンディングノート』には遺言書と違い法的効力はないけれど、自分の生い立ちや思い家族たちへ伝えたいことなど自由に記入できます。 書くことにより、自分の身辺整理もすることができこれからの人生がもっと生活しやすくなるようです。1度書いたら終わりではないので、記入しやすいところから書いていき新年や誕生日などに更新すると良いそうです。

 このセミナーを受けながら私は93歳で亡くなった曾祖母の延命治療を続けるかどうかという場面を思いだしていました。90を過ぎ寝たきりになってしまった曾祖母は「早く、若くして先だった息子の所に行きたい」と、よく言っていました。そんな曾祖母も意識がなくなり入院。管につながれ1年位たったころでしょうか。いよいよお医者さんに「どうしますか?」と尋ねられた時、誰も何も言えませんでした。曾祖母本人に聞けば出るだろう答えはわかっているのに、みんな口に出すのが怖かったのでしょうね。こんな時、曾祖母の一筆があればもっとすんなりいったかも知れません。私も主人にはもしこうなったらこうしてよと口では伝えているのですが、聞き流されているようですし、その通りにならないとしても書き残しておくことは大事ですね。 あまり自分勝手なことを書いたらヒンシュクでしょうが。

  ある男性が奥様を亡くしたけれど、その奥様が料理の作り方から、生活に関する事柄をこと細かに記したメモが遺されており、大変助かったそうで、今度はこの男性が子どもたちのために書いているそうです。  

 主人や 実の両親ももちろんですが、主人の両親にもぜひ書いてほしいです。でも、嫁の立場からはなかなか言いにくいので、もっともっと『エンディングノート』をみんなに知ってもらえたらいいですね。

  山根さんは『エンディングノート』の書き方やいざという時のことをご自分の経験などを交えてわかりやすく丁寧に 話して下さり、 『死』って重いですが、このセミナーを聞いてちょっと救われた気分になりました。

 そしてもう一つのメイン企画の人形供養祭にも少し参加させていただきました。

昨年末大掃除をした時に、一番処分するのに苦慮したのが山とあったぬいぐるみ達。甥っ子姪っ子たちにもそう引き取ってもらえず、ごみ袋3つほどに詰め込んで、家族で「ありがとう、ごめんね」と言って処分したものでした。その時にこの人形供養があったら、ぬいぐるみ達も少しは報われたかも知れません。

 人形の受付け締め切り時間が近付くと続々と人形が届きます。スタッフの方も台車に持ち込まれた人形を乗せて車と斎場を汗を拭き拭き、行ったり来たりしていました。

 日本人形が多いようで、確かにぬいぐるみよりはるかに処分し難いですものね。「30数年前のものや」とか「なかなか捨てれんかったけど、チラシを見てこれはえい思うて来た」とおっしやっている声も聞こえてきました。 90組余りの方たちから人形が持ち込まれたそうです。

 真言宗の僧侶の方による供養祭が営まれ、お焼香まで行われました。供養祭に参加されていた方は、30名ほどでしょうか。ご自分の持ち込んだ人形の姿を探していらっしゃる方もいて、それぞれに思い入れがあるのでしょう。こんなに思われて人形も浮かばれますね。

  その他に、日用品の詰め放題や洗剤がもらえるサイコロ大会などお得な企画が盛りだくさん。このような企画があると、斎場にも足を運びやすいです。

  このような『コープ葬祭』の見学会は、年に4回行われているとのこと。今年度第4回となる次回見学会は11月18日(日)にベルモニー会館 福井で行われるそうです。

 いただいた資料の中に「もしものときに、安心・納得してご利用していただけるようにと、また、ご利用がなかったとしても、いろいろな選択の判断の一助になればと開催しています」とあります。アンケートなども無記名なので気軽に覗きに行ってはどうでしょう。葬祭場がちょっと身近に感じられるかも知れません。

(F)