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会員生協探訪記 39

2012.9.19(水) 【高知医療生協】


会員生協探訪記 39

2012.9.19(水) 【高知医療生協】


『生協強化月間スタート集会in高知』を開催

『生協強化月間スタート集会in高知』を開催

 10月1日に生協法が施行されたことを記念し、広く国民に生活協同組合を知らせ、組合員になってもらい生協の基盤を強化する期間として全国の生協で「生協強化月間」が取り組まれています。そのスタート集会を高知医療生協が四万十市、高知市、須崎市の3ケ所で行うと言うことで、高知市のソーレで行われた集会にお邪魔してきました。

 会場には、組合員86名、職員16名が集まり、 兼松利彦実行委員長の開会あいさつからはじまりました。

講師/ 中村 都子氏
講師/ 中村 都子氏

 まずコスモス農業協同組合 中村都子氏による記念講演がありました。  中村さんは、7月にあった協同組合デー高知県集会でJAの活動発表をされた方で、その発表を聴かれた医療生協の方が共感され今回の記念講演にご依頼したのです。

 まず中村さんが佐川町で成功を収めた直販店の草分け、JA直販所『はちきんの店(S61.8.25開店)』を始めた経緯を教えて下さいました。JAで福祉生活部に異動となり生活指導員に任命され、種類や管理方法などを競う家庭菜園コンクールを企画。そこで出来たきれいなたくさんの野菜たちをどうするのかと尋ねると、「周りは農家ばかりでおすそ分けするところもないので処分する」との答えを聞いた時に、この野菜たちを売ってこの女性たちにへそくりを作ってもらおうと直売店を思いついたそうです。役員の反対を押し切り、JAからの出資がないので女性部の中心メンバーが1万円ずつ出し合い83万円の基金で始めたものが、10年後には3億円の売り上げとなったとのこと。そして、稼ぐばかりでなくそのお金を、自分のために使ってもらおうと学習や楽しみ、活力の場づくりとして「ちいぱっぱスクール」を開講したそうです。 その後、時代は福祉事業だとヘルパーを養成し、助けあい組織「にこにこ会」を発足し会員の特技を生かした班活動や行政からの福祉事業を受託することに。また、広くJAを知ってもらおうと子ども・退職を迎える世代・高齢者それぞれ対象のあぐりスクールの開校、男性メンバーの「赤い褌(ふんどし)隊」結成などなど次々と活動を広げていき現在も進化し続けているようです。

 中村さんの話はとても軽快で楽しく幾度となく笑いも湧き上がりました。それにしてもすごいバイタリティです。思い立ったら次々と実行に起こしてつくり上げています。きっと、その間には失敗や辛いこともあったはずでしょうが、中村さんはネガティブな部分をマイナスと思わず全て糧にして、時にはそれさえも楽しんで乗り越えることができる方なのでしょうね。そんな中村さんは、今まで手掛けてきた活動の一つ一つが宝物のようで、それぞれの経緯を話してくれる口ぶりには組合員さんへの愛情がひしひしと感じられました。「組合員さんには協同とはどういうことか教えてもらった。組合員のためではなく一緒に悲しみ喜び共にやっている」とおっしゃっていました。今後は「介護・福祉は儲けにならないのでおざなりにならないか危機感がある。JAになくてはならないものにしたい」そうです。中村さんならやり遂げるのでしょうね。

 中村さんは、「協同組合運動は地道だが楽しんでやらなければいけない。私も組合員も楽しめること。それが協同」とおっしゃっていました。確かに本人が楽しんでやってないと人は付いてきません。魅力的じゃないと人を誘えないし、仲間に入りたいとは思えないし続かないですよね。そして、どんなに素晴らしいことでも、発信しなくては人は知らずに終わってしまいます。難しいことですが...。

「絆、絆といくら言うても行動をせんと何にもならん。」とおっしゃっていた言葉が心に残りました。

強化月間決意表明の様子
強化月間決意表明の様子

 次に山中組織委員長から2012年度の生協強化月間方針の説明がありました。期間は2012年10月1日から12月29日までで特に秋の陣・冬の陣の期間を設け集中して訪問行動などの活動をするそうです。

 それから、各協議会、ブロックの代表による決意表明が、強化月間の課題である「組合員増やし、出資金増やし、班づくり、担い手づくり」を軸に行われました。皆さんお話好きで進行役の方に急かされながらも、賑やかに終えました。

 その後、支部長らの活動報告が ありました。苦難もあるようですが健康チェックや体操教室、防災や介護の学習会など様々な催し物を企画し活発に活動されているようです。また、班活動でのお茶会など和気あいあいと楽しそうです。

 この4月に休止した城北診療所でも患者さん組合員さんらで『城北の未来を考える100人委員会』を結成し、診療所の活用方法を模索しているそうです。地域の方のたまり場となるよう10月からコーヒーサービスを始めるとか。コーヒーの入れ方から勉強されているそうですよ。

 今後高齢化が益々進むでしょう。高齢者夫婦だけ、独り暮らしの世帯も多くなるでしょうが、気兼ねなく足を運べて一緒に何かをできる仲間がいる場所があればこんな心強いことはありません。

誰かと何かをすることは、様々な問題も起こってくるかも知れませんが、医療生協の活動を広くみんなに知ってもらって大きな力となり『協同』がパワーアップしたら、元気を配ることができるんのではないでしょか。

 最後に兼松利彦実行委員長の「しんどいこともあるけんど、みんなで集まれば楽しいこともあるかなぁ、と言う思いで9,10,11月をがんばりましょう」という言葉で3時間の集会は閉会しました。

(F)