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5|| 最期の時を自分らしく迎えるために ~コープ葬祭見学会と講座 「エンディングノート」

2010年4月25日【こうち生協・高知県学校生協】


  425日(日)、高知市知寄町にあるベルモニー会館で、コープ葬祭の見学相談会とくらしの見直し講座「エンディングノート」が開催されました。「コープ葬祭」は高知県学校生協さんとこうち生協さんが地元の葬祭関連業者さん(葬儀・仏壇仏具・返礼ギフト・墓石)と提携して行っている事業です。

 

  講座の途中からお邪魔したのですが、講座会場は50人近い参加者で満員。机が足りず、椅子のみの聴講者も大勢いました。講師は、広島のファイナンシャルプランナー高橋佳良子さん。最期の時を自分らしく迎えるために、家族に自分の意思を伝える「エンディングノート」を書いておくことをすすめています。どんなお葬式をしてほしいのか、だれに連絡したらいいのか、延命治療を希望するのかなど、自分の希望を記録しておくことは残された家族のためにもなるそうです。「家族は故人が延命治療を希望しないことを生前に聞いていたので従ったが、あとで遠方の親せきから非難された、という例もあります。きちんと文書で書き残しておけば、周りの人にも納得してもらいやすい。」とのこと。

   また、葬儀に必要な費用を知った上で、それを子どもに出してほしいのか、自分で準備しているならそのお金がどこにあるか、生命保険はどこに入っているかなど、伝えておくべきことはたくさんあります。「死亡したことが金融機関に伝われば、その人の名義の口座からはお金が引き出せなくなります。葬儀のお金はすぐに必要になるので、あらかじめ家族の口座に分散しておくように。」というのも、案外大事なことですね。「最近家族だけでの葬儀も増えつつありますが、長い期間にわたって弔問客の訪問があって、結果的に遺族は大変だったということもあります」という例も。参加者からは遺影のことや葬儀の必要性などつぎつぎと質問がだされていました。

    暗くなりそうなテーマを明るくわかりやすく教えてくださった講座でした。(最初から参加できなくて残念でした。)ところで、「生きている間に家族に『エンディングノート』を見られるのは恥ずかしい」という人はどうしたらいいのでしょう?「親しい友人に『エンディングノート』があることを話しておいて、万一のときはその友人から家族に伝えてもらうよう頼んでおきましょう」とのことでした。

  高知県学校生協の曽我部さんは「『コープ葬祭』も1周年を迎えましたが、認知度はまだまだ。今日の相談会は前回の倍ぐらいのペースで見学者がきてくれています。講座のテーマ『エンディングノート』は興味を持っている人が多かった。これからもこの講座のように、葬祭に関連して皆さんが興味があるものを目玉として見学会の中に取り入れていきたい」と話してくださいました。

   曽我部さんにお話をうかがっているそばから、さっそく見学者が「ここの葬祭会館を使ったら、いくらぐらいかかるが?たとえば病院から直接ここに入ってきたとして…」と質問をしていました。普段は足を向けにくい葬祭会館ですが、日常の買い物で利用している生協が窓口であれば、相談もしやすいかもしれません。

   「生活文化の向上」(生協法第1条)を目的とする生協らしく、「葬祭」も「生きているうちに何をしておけば自分と家族のためによいか」を考えるきっかけとなっていました。そして、やっぱり避けては通れない祭壇やお墓の価格のことも同時に勉強できて、賢い消費者になれるというあたりが「消費生活」の協同組合ならではの組み合わせだなあと思いました。

(S)